文化の力

 もう今年も残すところわずかになりました。世界中ではさまざまな争いが続いています。誤解と怒りは、戦争を生み出す原因の一つです。

 自他に対する理解が深まれば、自他に対する寛容も育まれます。それにより、自身の幸せと安らぎが大きくなります。理解と寛容は、平和を実現する上で重要な役割を果たします。

ipmag.skettt.com この数字や藤井風の歌声でもわかるように現在日本は、文化大国としての影響力が大きくなっています(よくよく考えてみれば、文化に上も下もありません。ここでは影響力が大きいという意味で「文化大国」と表現しています)。インターネットの普及により、日本の文化は、世界中に広がりつつあります。

 文化とは、ある集団の感じ方、考え方、信念、習慣、それらに基づいた行為、行為の結果、そして、それらが与える影響の総体です。

 今までに日本のアニメはイスラエルパレスチナ、ロシア、ウクライナなど世界中で放送され多くの人々に愛されています。中国では今年、映画『THE FIRST SLAM DUNK』(井上雄彦監督)が多くの観客を動員しました。

 これらの事実は、日本の文化は、誤解や怒りから生まれる戦争を防ぐために役立つ可能性を持っていることを示しています。さまざまな文化の良いところを取り入れ調和させてきた日本人は、平和な世界にしていくための文化を創り出す力を持っています。

 私たち一人ひとりが、自らの人生を生きながら、他者に対する理解と寛容を深めていくことで、世界平和に貢献する文化を創りだすことができます。それが希望になります。

 「最後まで…希望を捨てちゃいかん。あきらめたらそこで試合終了だよ」『スラムダンク』の安西先生の言葉が沁みます。

 希望の種が世界中にばらまかれることを願ってやみません。