僕の中にも上林はいます

 10月3日に映画『孤狼の血 LEVEL2』(白石和彌監督)を観ました。鈴木亮平の演技が話題になっていたからです。この映画は凶暴なヤクザとヤクザのような刑事の物語です。話題通り鈴木亮平は凄かったですが、松坂桃李村上虹郎の演技も凄かったですね。物語の展開にも引き込まれました。細部まで作り込まれた、ドスのきいた作品でした。ただ今の僕には刺激が強すぎました。

 鈴木亮平演じる上林は凶暴な人間で惨殺を繰り返します。惨殺場面が生々しくて僕は観ていて気分が悪くなりました。昔の映画は殺人場面も作り物感が観て取れましたが、最近の映画は技術の発達で本物と見まがうほどです。今後はもうあんまり惨殺場面のある映画は観れませんね。

 僕が子供の頃の話です。僕は蝉を何匹も捕まえてきて、爆竹を蝉に付けて、導火線に火をつけ、蝉を逃がし、飛んでいる蝉が爆竹の爆発でバラバラになるという遊びをして楽しんでいました。惨いことです。今の僕は思い出すと心が痛みます。
 
 過去の自分と比較すると上林のような人間は、決して僕とかけ離れた人間ではありません。僕の中にも小さな上林がいます。僕の中にいる小さな上林を解き放たないよう気を付けて生きてゆきます。