魂の叫び

 この間、岩波文庫の『マルクス・アウレーリウス 自省録』という本を買いました。予想を上回る難解さで、三分の一ぐらい読んで止まっています。その岩波文庫の巻末には岩波茂雄の言葉として

真理は万人によって求められることを自ら欲し、芸術は万人によって愛されることを自ら望む。かつては民を愚昧ならしめるために学芸が最も狭き堂宇に閉鎖されたことがあった。今や知識と美とを特権階級の独占より奪い返すことはつねに進取的なる民衆の切実なる要求である。岩波文庫はこの要求に応じそれに励まされて生まれた。(後略)

とあり、
角川文庫の巻末にも角川源義の言葉として

第二次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何に無力であり、単なるあだ花にすぎなかったかを、私たちは身を以て体験し痛感した。(後略)

とあります。これらは岩波茂雄角川源義の魂の叫びだと思います。

そして岩波書店の社長が昨日、日韓の修復を訴える集会を行われています。

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 レーザー照射問題、徴用工問題、慰安婦問題、竹島問題などをニュースで見聞きしていると、平和を愛する僕でも韓国に対して、クレーマーですか?と思ってしまいます。ですので、現在の日本政府のやり方も理解できなくもありませんが、ちょっと日本の方が大人になって寛大な心構えで「冷静で合理的な対話」をしていただけたらと思います。力(今回は経済力)に頼って衰退した国々もあります。日本がまねる必要はないと思います。

 戦後ドイツと朝鮮半島は分裂させられ、日本は分裂させられませんでした。ドイツは統一しましたが朝鮮半島は分裂したままです。今の僕にできることは、韓国の歴史、習慣、考え方などを学ぶことだと思っています。幸いにも、岩波茂雄角川源義といった先人たちのご尽力のおかげで、様々な情報を得ることができますね。

 

※2019年9月8日に加筆