黒い穴

 加藤周一はドイツ語、フランス語、英語が堪能でした。もちろん日本語も。日本文化を探求しておられた加藤先生の文章は厳かで、美しく、論理的で、ぬくもりがありました。亡くなられましたが、加藤先生はまさに「知の巨人」であったと思います。

 そんな加藤先生ですが日本語で記述する際、カタカナ英語を使用されないようにしていました。カタカナ英語の場合その単語の意味が分からなければ、意味が全く分かりません。ですが漢字の場合、部首が「さんずい」だと「水に関係があることだな」とある程度意味を推測できます。日本語は漢字を使っているので、そういう意味では便利な漢字を利用したほうが合理的です。加藤先生は「ブラックホール」も「黒い穴」と記述される徹底ぶりでした。

 僕もそれにならって、できるだけカタカナ英語は使用しないようにしています。 以前「松坂桃李はチャレンジャーだな~」と書きましたが、これは、さんまさんがそう言いそうな気がしたからです。

 とはいえ「ブラックホール」はブラックホールでいいような気がします。